私の日記

毎日ひとつポジティブなことを書きたい。過去投稿あえて消さないけどは酷いので閲覧注意。プロフ絵はhttps://twitter.com/acharom032さん作 

藁の楯感想(ネタバレあり)

藁の楯見ました。

 

見終わって、一番に思ったこと。私は正直、最初から最後まで清丸っていうキャラに対して憎しみは感じなかった。むしろ一番感情移入できたキャラ。なんていうか、彼は根本的な部分が他人とは違う人。度々の無神経な発言も、人を殺した後の高笑いも、他人とは価値観が違うからで、わざと煽ってるわけじゃない。この映画の登場人物で一番哀れなのは実は清丸なのかもしれない。生まれた時から異端者で誰にも理解されることなくひとりきりで生きてきて、唯一理解者だったかもしれない母親にも自分が原因で自殺されて。自分を殺して懸賞金の一部を母に渡してほしいっていうのも彼の本音に感じた。まあだからと言って他人を傷つけていい理由にはならないけど、彼の行動は悪意のないものだったと思う。だから作中何度もクズだって言われるけど、私はそうは思わなかった。

どこかで聞いた話の受け売りだけど、怒りとか憎しみの感情は恐怖の裏返しらしい。こういう、殺人鬼に腹が立つのは相手を理解できないことに恐怖してるから…なのかもしれない。だから彼を理解してしまった私は冷静でいられたってことかも。

 

演出面は緊迫したBGMが突然途切れて「音楽の途中ですが」ってカーラジオのニュースが入る演出に思わず笑ってしまった。こんな真面目な感じの映画でメタでコミカルな演出が突然入るなんて誰も思わないよ…(笑)

清丸に銃を突き付け咆哮して暗転、次のカットで実は殺してなかったのはルパパトの最終回の圭一郎とドグラニオのシーンを思い出した。こういう演出好き。予習済みだったからその後の展開が読めちゃったけど。

あとは最後の少年と刑事のシーンが好き。回想のシーンと同じ構図なのたぶんわざと同じ場所で撮ってるんだと思う。母を亡くした少年が笑顔だった理由を考えるときついね…。仕事行ってるからいないとか聞かされてるんだろうなあ。つらい。

 

勧められて見た映画だったけどなるほどこれは見てよかったと思う。教えてくれた友人に感謝。